京都第一

弁護士ファイル/交通事故

弁護士ファイル/交通事故

大島麻子
弁護士:Ooshima Asako

保険会社が提案する示談、応じる?応じない?

交通事故の被害者から受ける相談の多くに、加害者の保険会社から示談してほしいと言われたけど、どうしたらよいのかよく分からない、というものがあります。実は、裁判所では、損害賠償の範囲や金額について一般的な基準をもっています。ところが、保険会社は、示談交渉の段階では、裁判所の基準より低い金額を提案して、示談を求めることが多いのです。最初は、早く示談に応じて事故のことは忘れたいと考えていた被害者も、相談の中で、具体的な金額の違いを示すとびっくりされます。被害者にとっては、交通事故の賠償の仕組みはよく分からないことが多いと思います。一度弁護士に相談されてから、示談に応じるかどうか判断されてもよいのではないかと思います。

藤井豊
弁護士:Fujii Yutaka

自転車事故による損害賠償

このところエコで健康的な移動手段としてあらためて注目を浴びている自転車ですが、近年、自転車と歩行者との事故が増加しており、10年前の3.7倍にもなっています(2009年警察庁統計)。

自転車は、道路交通法上の車両とされており、道路交通法上の規制を受けます。

また、歩行者との事故においては、通常自転車の過失が大きくなります。そして、死亡事故や重大な後遺症を残すケ-スでは、莫大な損害賠償請求を受けることになります。

日頃の安全運転の心掛けはもちろんですが、万一事故に遭ったり、起こしたりした場合には、自転車事故と軽く見ずに弁護士にご相談ください。

荒川英幸
弁護士:Arakawa Hideyuki

交通事故にあった時は家族全員の任意保険をチェックしましょう

今の任意保険には、様々な保険セットや特約がついています。人身傷害保険は、車に関係する事故で亡くなったり、ケガをした場合に、契約した任意保険から保険金額の限度で補償が受けられます。過失の有無や割合は関係ありません。他の車や自転車に乗っていたり歩行中の事故も補償されます。更に、家族(配偶者、同居の親族、別居の未婚の子)が事故にあった時も使えます。相手方への賠償との関係は、弁護士にご相談下さい。

また、弁護士費用特約をつけていると、相手方への賠償請求のために弁護士に依頼する場合の弁護士費用や実費などが、保険金額(300万円とするのが一般)の枠内で補償されます。上記の範囲の家族が事故にあった場合や少額の物損でも使えます。依頼する弁護士は、自分で自由に決められます。

「京都第一」2010年夏号