京都第一

弁護士紹介

日々精進、日々努力

昨年の3大腹立ちは、1.消費税増税法案の強行可決、2.安全性の確認されない大飯原発の再稼働強行、3.沖縄へのオスプレイ配備強行でしょうか。国民の多数が反対している消費税増税実施を阻止し、即時原発ゼロに方向転換し、東日本大震災への抜本的援助を行い、日米安保条約の廃棄に向けて、今年も頑張りたいと思います。

業務では、年々新しい法律ができ勉強しなければならないことが増えています。また弁護士増員時代を迎えて、相談者や依頼者に満足してもらうためにはどのような努力をすべきかも日々検討していますので、今年もどうかよろしくお願いします。

趣味の登山は、昨年新たに東京都最高峰の雲取山(2017m)、頸城(越後)三山の火打山(2462m)&妙高山(2446m)、奥秩父の瑞牆山(2230m)&金峰山(2595m)、北秩父の盟主両神山(1723m)の6座が加わり、百名山も76座となりました。しかし、この1年に手指を骨折するという痛い目にも遭いました。ちょっとした油断が招いた結果です。改めて「油断大敵」という言葉を肝に銘じたいと思います。


仕事も趣味も全速力

2012年は1107名の原告団で大飯原発の運転差止を求める訴訟を提起しました。私は弁護団事務局長に就任したため夏前から訴状作成、原告集めと飛び回っていました。市民の力で原発を止めるためには大きな世論を裁判所に集中させなければなりません。原告団は今後も拡充していく予定ですので原告になりたい方は是非お声かけ下さい。また、2009年末に分限免職処分(民間の整理解雇に相当)された旧社会保険庁職員15名が処分取消を求めている訴訟も今年が山場です。全員の職場復帰を目指して頑張り抜きます。

昨年は自転車(ロードバイク)に開眼し、春の琵琶湖一周150km、丹後半島一周180km、秋の淡路島一周150kmと、完走を目的にした市民レースに参加しました。夏には京都市内の自宅から琵琶湖を一周する210kmのサイクリングも。肉体的には辛いですが、いい景色を眺めながら自動車の少ない道路を漕いでいくのは実に気分爽快です。今年も時間を見つけてチャレンジします。


碧い海

時々、無性に海を眺めたくなります。ただぼんやりと海を眺めているだけで心が凪ぎ(和ぎ)ます。  昨年は、業務も兼ねて弁護士仲間と共に7月に沖縄に行く機会がありました。沖縄本島の戦跡を巡り、辺野古の現地調査を行いました。現地の住民の方に船を出してもらい、辺野古崎から少し離れた無人島に渡りました。島から見る辺野古の海は陽の光に照らされてどこまでも碧く輝いていました。辺野古は基地移設問題で揺れていますが、地図上で見ると小さく辺野古崎と書かれているだけで、実際に行ってみなければこの海の美しさは実感できなかったと思います。現場を訪れ、現地の住民の方の話を聞きながらその様子を体感したのは、沖縄の抱える問題を学ぶ上でとても有意義なことでした。

現在、滋賀県の仰木の里や青山学区で起こっている大規模な住環境を守る事件、そして、東日本大震災被災者支援等に取り組んでいます。

ただぼんやりと海を眺めるだけでなく、この美しい日本の環境を守るために弁護士として全力を尽くしていこう、改めてそんな想いを胸に秘め沖縄の碧い海を後にしました。


京都と子どもの命をまもる

東日本大震災、福島第一原発事故から早1年半以上が経過しました。被災した方々のことは決して忘れまいと思い、震災復興問題や脱原発運動と関わりをもとうと過ごしてきました。しかし、人間の性かもしれませんが、日々目の前の問題と格闘をしている内に、いつしかその気持ちに霞がかかってくるのを禁じ得ませんでした。しかし、11月23日朝のニュースを見てその霞が吹っ飛びました。「関電、来年7月に高浜原発を再稼働する予定、電気料金値上げも決定…。」原発がなくても電気は足りることが証明された昨年の夏だったのに、活断層の上に建つといわれる大飯原発の稼働を続け、更にまた他の原発も再稼働する。おまけに電気料金を上げる。原発推進勢力関電の体質を見せつけられました。 11月29日、関電と国を相手取った原発の差し止めを求める訴えが提起され、私も弁護団として参加しました。妻、4歳、0歳の娘も原告となりました。子ども達の命、いつまでも笑顔で過ごせる京都の地を守るべく、頑張っていきます。


憲法を守り、安全で美しい自然エネルギーへの転換を

昨年10月、事務所の「憲法を生かす講演の集い」で、原発ではなく地熱発電を導入し、富士山の麓に巨大な温泉銭湯を作ろうという伊藤千尋さんのユニークな講演をお聞きした翌日、浜松から自由法曹団の総会が行われた焼津まで約100kmを自転車で走ってきました。浜松から御前崎に続く太平洋岸自転車道には、風力発電機がたくさん建っていました。遠くにかすんで見える浜岡原発の不気味さに比して、青い空と海に映える白い風車が印象的でした。京都で行われた全労連の「働く女性の中央集会」では、憲法の分科会を担当し、改めて日本国憲法の素晴らしさを学ぶとともに、現在憲法(と私たちの人権)が危険に曝されていることを痛感しました。

ところで近頃、携帯電話をスマートフォンに換え、操作に四苦八苦しています。昨年続けて出た携帯電話解約料差し止め裁判の結果は、1勝(対au)2敗(対ドコモ・ソフトバンク)となっています。なんとかして、一方的に大企業が儲け、消費者には選択肢などないに等しいこの仕組みを変えたいと思います。


30年の節目を迎え

いつの間にか弁護士になって30年が経過しています。

年末に、長年取り組んできた半鐘山開発問題(つむぎ出版)、市原野ゴミ焼却場問題(かもがわ出版)の各記録の出版が実現しました。弁護士は、事件が一区切りつくと、どうしても次の課題に追われ、まとめるのが苦手ですが、地元の出版チームが、ルポライターも入れて、読み物としてもおもしろく仕上げています。

京都会館建て替え問題では、住民訴訟の提起や、イコモスの20世紀遺産委員会の警告にもかかわらず、京都市は新景観政策に反する「一人地区計画」による規制緩和を使い解体を強行しています。

滋賀県最大の住宅地の一つ「仰木の里」で、地域ぐるみで取り組まれている幸福の科学学園建設事件では、建築確認取消訴訟を提起するとともに、執行停止申立をおこない、11月末に「執行停止」こそ認められませんでしたが、「取消」の可能性を示唆する決定が出されました。

立命館大学の環境法ゼミの担当も8期生になります。写真は沖縄へのゼミ旅行で、辺野古の海にも行ってきました。

何事にも、「持続可能性」をキーワードにしていきたいと思います。


どこまでも走り続けて

なにごとにつけてもバランスを保つというのは難しい。事件の解決でバランスを取ることは、私たちの仕事には不可欠ですが、身体のバランスは、ともすれば、置き去りになることが多い。気持ちを若く保つことは、最大の健康の秘訣と心得ていたつもりですが、身体がSOSを出すようになると、逆に気持ちに影響するので、用心が肝要。

朝早くに目が覚めてしまうのを利用して、ウォーキングを始めることに。ラジオ体操と簡単なストレッチをミックスします。ダイエットにも取り組んだのです。

効果は、日ごとにあがり、バンドの止め穴は、確実に一つは細くなりました。しかし、これからが大変。冬の寒さは、思ったよりこたえます。美味しいものが揃っている季節です。少し手を抜くと、すぐに数値はリバウンドを始めます。

果たして、こうした諸々を押しのけて、持続的に「健康への道」を歩み続けることが出来るのか。それは弁護士の歩みをバランスよく続けていくためにも不可欠なことだと決意しているのですが。


私のリフレッシュ

フラメンコ:習い始めて随分長くなりました。奥深くなかなか止められませんが、はてさて、どこまで体が持つのやら。

旅:久々のヨーロッパ(イギリス)の旅。自然保護の歴史の深さを感じました。

読書:宮本輝著「草原の椅子」。一気に読ませる小説に久々に出会いました。

昨年は、うれしい成果の年でした。中学校教師の過労自殺(自死)事件・教師の精神疾患につき、公務災害と認めさせました。他方で、最近、セクハラ・パワハラの事件や相談が多く、そのために心を病んでいる人が多いことに心を痛めています。事後的救済は、損害賠償責任の問題にしかなりえません。労働者が安心・安全に働けてこそ、健全な社会。企業は厚労省の指針なども学習し、パワハラ・セクハラのない職場づくりに取り組んでほしいものです。原発訴訟も頑張ります。


総選挙から2013年へ向けて

年末に行われた総選挙で二つのことを考えました。1つは、私が願っていた消費税増税の反対、原発即時ゼロ、TPPへの参加反対が多数意見として認められなかったことです。この不況下国民のくらしは一層苦しくなることが残念です。もう1つは、二大政党をめざした小選挙区制下でふた桁の政党が争ったことです。小選挙区制の破綻は明らかであり、早急に中選挙区制を復活すべきです。

私は傘寿を迎えました。5年前から「姥捨て山的差別医療制度」である後期高齢者医療制度の早期廃止を訴え、昨年からは医療制度を破壊するTPPへの参加反対に賛成してきました。医療制度を改善し改悪を阻止するためには国民的運動が必要です。私は現在「健康友の会」の会長をしていますが、この組織の力も借りて運動を盛り上げていきたいと考えています。渡部馨弁護士とお孫さんたち憲法25条は「健康で文化的な生活を営む権利がある」ことを規定しています。実生活でこのことが実感できる状況を作り出すために、2013年も頑張っていきますのでご支援よろしくお願いします。


なにごとも勉強の日々

離婚など男女間の紛争や、遺産分割や遺言に関わる紛争、成年後見の相談や受任が増えています。離婚で親権が争われるケースでは、面会交流への立ち会いを含め、できるだけ子どもたちの心の状態を確認しながら、進めていきたいと思っています。成年後見では、親の財産の管理を巡り親族間の紛争が生じないように、認知症高齢者を消費者被害から守るためにも、成年後見は重要であると実感しています。

刑事事件は、現在、複数の否認事件を担当し、最近も報道が相次ぐ杜撰な捜査による冤罪が生じないように、粘り強い弁護を心がけています。

プライベートでは、長男が3歳、長女が1歳になり、日々成長を感じます。長女は段々と自分の気持ちを行動で表現し始め、長男との間での遊びも始まりました。また、我が子である長男の行動に、自分自身の性格も垣間見るようで、我が身を振り返ることもあります。勉強は嫌いな方ではありませんが、父親になることも日々勉強だと実感しています。


仏像三昧

昨年は「年中無休」を地で行きました。それでも終わらない仕事の山。どうにかこうにか乗り越えながらも、このままでいいのだろうかと自問する日々が続きます。事件が複雑な様相を呈するのは、世の中が複雑になっているのが原因でしょうか。福沢諭吉が学校を北極星に喩えて「明を取るに足らざれども大概の方向をしるべし」と言いました。先が見えにくい時代になった時にこそ、北極星のように人を導くことが期待されています。私も常に困った人の北極星たらんと努力はしていますが、果たして正しい方向を指し示せているか自問の日々です。

今、50代後半のまっただ中。まだまだ健康で多少の無理もまだききます。この時間を有効に使おうと一生懸命(実は残り少ないので焦っている?)です。日々仕事を片付けたら、行きたいところ見たいところに行く、読みたい本を読む、酒は飲まないかわりにうまい物を食べる…ができたらいいのになあと思うばかりです。今年もよろしく。


菊水の町にて

昨年の夏、引っ越しをしました。京都市は中京区、菊水鉾町です。いわずと知れた菊水鉾の町内で、かつて金剛能楽堂があり、菊水の井があった町内でもあります。定期的に会所から流れてくる祇園囃子の音を聞く度に、京都の伝統を守ることの大切さを実感する日々です。

進行する高齢化を背景に、その京都でも高齢者問題が大きな注目を集めています。昨年は区役所や地域包括センターその他の専門職と連携して、地域の中で高齢者の権利を擁護するための活動に積極的に取り組み、その様子は新聞でも報道されました。虐待案件など深刻な相談もありますが、成年後見制度を利用するなどしてこれからも高齢者問題に力を入れていきたいと思います。

また、種々の弁護団活動も変わらず継続しています。アスベスト被害や携帯電話解約料問題、茶のしずく事件など大きな関心を集めた事件もありました。原発差止訴訟や京都府医師会の不当労働行為事件などとともに、本年も積極的に活動する所存です。


憲法改悪を許さない一年

先日、自民党改憲案の「地方自治」の部分を検討する機会がありました。その中で、現在、地方自治体が、福祉・保育・教育など様々な現場で、日本国憲法の目指す福祉国家理念を実質的に支える役割を担っていることを改めて実感しました。自民党改憲案は、地方自治体の財源を自主的な財源に限定させたり、公共サービスの対価として住民負担を義務化させたりすることで、福祉の切り捨てと負担増を推し進めようとしています。自民党改憲案は、「生存権」などの条文そのものには手を加えていませんが、それを財政的に支えている部分を壊そうとしており、このような改憲を許すことはできません。サンガの試合を観戦する大河原弁護士親子他方で、公務員に対する厳しい風当たりの中、住民福祉のために努力している自治体労働者がきちんと評価されるよう、社会の風向きを変えていきたいと思います。

昨年は、京都サンガFCの応援に、家族で足繁く通いました。もう一歩のところでJ1昇格とはならず、悔しい思いをしましたが、今年こそはぜひJ1に昇格してもらいたいです。


もう少し上を目指して

今ほど政治家に対する信頼が崩れたことはないでしょう。小選挙区制の中での生き残りをかけ、政策そっちのけの離合・集散が行われました。改めて、理念を高く掲げ、1本筋を通して、運動を粘り強く継続する政党の重要性を思います。

私事としては、年末に田舎の同窓会に参加してきました。僅か数十名の参加者ですが、「現役」の者はごく僅かという状況となっており、心身が健康であればまだまだ仕事が続けられるという我が身が羨ましがられたものです。しかし、こちらから見れば、大自然の中、毎日新鮮な魚介類を食することが出来る方がより贅沢ではないかと思うのですが、隣の芝生がよりきれいに見える類なのでしょうか。

今年は、現在の立場を有り難く思い、飲み過ぎず、体力の維持に努め、マンネリに陥らず、的確で迅速な処理を目指します。

また、革新懇や民主府政の会の中でも役割を発揮していきたい。


英国生活で感じていること

2012年3月末より、配偶者の仕事の関係で再び英国に滞在しています。二度目の休職でご迷惑をおかけしていますが、人生の折り返し地点でゆっくり立ち止まって考える機会をもてたことは、貴重な経験となっています。

外国での生活では、常に文化や習慣の違いを意識せざるをえません。たとえば、ここイングランドでは、スーパーなど大型店については、原則として日曜日の営業時間は最大6時間までに規制されており、復活祭の日曜日とクリスマスには営業ができません。法的な規制のない小型店も、多くの店が日曜日には閉店し、平日も夕方には閉まってしまいます。余暇や家族の団らんを大切にする文化のためですが、特にクリスマスは、なんと、公共交通機関までが運休するという徹底ぶりです。大島弁護士とイギリスの古城最初は不便に感じたものの、24時間営業・年中無休の便利さを追求すれば、犠牲になるものも大きいのではないかと考えさせられています。

今年春には帰国予定ですが、残りの期間じっくり充電し、新たな気持ちで復帰したいと思います。


サケ科の魚へのロマンを抱きつつ専門訴訟に頑張っています

北陸の庄川では、遡上してくる沢山のサケの姿を間近に眺めることができます。長く続けてきたイワナの釣りとウオッチングも、近年はほとんど行けない状態ですが、天然イワナを撮影する度に、その美しさに感嘆してしまいます。自然のこれ以上の荒廃を防ぎ、サケが帰ってくる川とイワナが棲む沢を将来の世代に引き継がなければなりません。原発の再稼働など論外です。

業務では、交通(特に、事故状況、事故との因果関係、後遺障害などを保険会社から全面的に争われる事件)、医療などの専門訴訟を数多く担当し、引き続き多忙ですが、良心的な医師達との面談を重ね、その結果を事件活動に反映するように頑張っています。保険会社に対し、その社会的使命にもとづく適正な被害賠償を行わせること、患者の人権を尊重した医療を構築することが願いです。昨年は、複雑で困難な事件について、担当裁判官に熱意を持って訴えた結果、粘り強い調整によって順次解決することができ、確信になりました。