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後見人奮闘記 〜長年住みなれた自宅で安心して暮らし続けたい〜

後見人奮闘記 〜長年住みなれた自宅で安心して暮らし続けたい〜

弁護士 大河原 壽貴

京都市内に住む70歳代の女性。両親が亡くなった後、両親から引き継いだ実家で、親族などの身寄りもなく一人で暮らしてきました。しかしながら、歳を重ねるにつれて、身の回りのことができなくなり、家の中はゴミやモノであふれる状態になっていました。また、身体も思うように動かなくなり、もともと古い作りの家だったこともあって、トイレや入浴など日常生活に支障をきたすようになり、認知能力の低下から、近隣とのトラブルも増えてきていました。

その女性が、長年お世話になってきた民医連の診療所で、自宅での生活の困難を相談すると、地域包括支援センターが紹介され、ケアマネージャーが入り、訪問介護を中心としたケアプランがつくられることとなりました。

そこで問題になったのが自宅のリフォームです。その女性は、愛着のある自宅に住み続けたいという希望を持っていました。しかしながら、古い家ですので、ヘルパーや訪問介護の援助を受けたとしても、トイレや入浴を快適に行うためには、リフォームによるバリアフリー化が不可欠です。また、ヘルパーが食事等を援助するにも、老朽化したリビングやキッチンなどの改修が必要です。幸い、その女性には両親から引き継いだ資産があったのですが、高額になるリフォーム代金を本人の理解が不十分な状態で支出するわけにはいきません。そこで、成年後見人が必要ということで、家庭裁判所に申立を行い、私が成年後見人として選任されることとなりました。

現在は、女性本人も十分に把握できていなかった資産状況の調査と、自宅で快適に住み続けられるようにと、計画的に自宅のリフォームを行っているところです。訪問診療や訪問介護の費用、ヘルパーに買い物に行ってもらうための費用など、本人の生活に必要な日常的な支出についても成年後見人が管理を行い、本人の資産状況、年金などの収入状況と見合わせながら、過不足なく支出しています。近隣との関係も、本人の生活が安定し、また、地域包括支援センター、ケアマネージャー、成年後見人らが中に入ることで、トラブルは解消されています。

今後は、地域包括支援センターや介護事業所などと連携を取りながら、自宅で安心して穏やかに住み続けられるよう、十分な援助を行っていきたいと思います。

「まきえや」2019年秋号