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第16回 憲法を活かす講演の集い開催報告

第16回 憲法を活かす講演の集い開催報告

弁護士 森田 浩輔

2019年5月31日(金)、ハートピア京都3階大ホールにて、「第16回憲法を活かす講演の集い」を開催しました。講師に、藤田孝典さん(聖学院大学人間福祉学部客員准教授、NPO法人ほっとプラス代表理事)をお招きしました。藤田さんは、社会福祉士として、生活保護や生活困窮者支援のあり方に関する活動と提言を積極的に行われており、近時は、メディアを通した情報発信にも精力的に取り組まれています。そんな藤田さんに、「憲法25条と未来の再建 貧困の再生産を終わらせるために」というテーマでご講演いただきました。

「みなさんは、健康で文化的な最低限度の生活を営めていますか」。こんな問いかけから藤田さんのお話は始まりました。憲法25条は、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と規定しています。現代の日本社会の貧困率は15.7%とOECD(経済協力開発機構)諸国の中でも6番目に高く、全国で約2,973万人の人々が生活保護基準未満で生活していると藤田さんは指摘します。

その上で、生活保護を受けることがずるいとか恥ずかしいといった社会の見方を変え、必要な人がきちんと受けられる制度となるべきこと、その一方で、保護基準未満で暮らしている人々を保護基準以上に押し上げていく賃上げや社会保障充実の要求など、権利を実現していく運動が重要であることを強調しました。また、所得が低く実家を離れられず、結婚できない若者が増えている現状を「自己責任」と切り捨てるのではなく、政府が保障する社会システムが構築されなければならないことを鋭く指摘しました。

「憲法25条は、お題目ではない」

このことを藤田さんは講演の中で繰り返し述べられ、私たち国民が自ら権利要求することで憲法25条を実現していかなければならないという強いメッセージをいただきました。

後半には、京都自治労連副執行委員長の南博之さんに、京都の貧困問題解消のための取り組みと意気込みをお話しいただきました。当事務所としても、藤田さんのメッセージを受け、憲法25条の実現に向けた不断の努力を惜しまないことを再確認し、盛況のうちに本会は閉会しました。

「まきえや」2019年秋号