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遺言-遺言執行者とは

遺言

4.遺言執行者とは

遺言の内容は、そのままでは実現することができないことも少なくありません。ご自身の願いを実現するためにも、遺言執行者を指定しておかれることをお勧めします。

Q.遺言執行者とは、どのような仕事をする人でしょうか?
A.遺言執行者とは、要するに遺言の内容を具体的に実現する人のことです。

遺言は、遺言を書いた人が死亡し、遺言が発見されたとしても、その内容によっては実現することができないこともあります。そのような場合は遺言の内容を実現する手続が必要となり、その手続を行うのが遺言執行者です。具体的には、身近な手続きでは、遺言で遺贈を受けた人の不動産(土地、建物)登記手続や預貯金名義の移転手続、預貯金の解約払戻手続などをすることができます。

Q.遺言を書く場合、遺言執行者を決めておいた方がよいのでしょうか。
A.遺言内容の実現は相続人自身が行うこともできるので、必ずしも遺言執行者をおかなければならないわけではありません。しかし、遺言で次の(1)、(2)、(3)の様なことを行おうとする場合は、遺言執行者が指定されていなければできないことになっています。
  • (1)認知
  • (2)推定相続人の廃除
  • (3)推定相続人の廃除の取消し
Q.遺言で遺贈をするのに、遺言執行者を決めておいた方がよいのでしょうか?
A.遺言をしていても、相続人の全員の協力を得なければ、不動産の登記をしたり預金を取得できない場合もあるようですので、念のために遺言執行者を選任しておく方がよいでしょう。
Q.遺言で墓を守ってもらったり法事をしたりする人(祖先の祭祀主宰者)を指定したいのですが、このような場合にも遺言執行者は必要ですか?
A.この場合は、相続が発生すればそれと同時に、遺言の内容に従って指定された者が祭祀主宰者になりますので、その限度では、遺言執行者は不要とも言えます。

しかし、祭祀主宰者には系譜、祭具及びお墓などの所有権を被相続人から引継ぐ必要があるので、それを引き渡したり、所有権の移転手続をしたりするために、遺言執行者が必要になります。

Q.遺言で生命保険金の受取人の指定・変更する場合にも遺言執行者は必要ですか?
A.この場合遺言執行者は必ずしも必要ではありませんが、相続人に任せていてもこの手続が行われない可能性もありますので、遺言執行者を定めておく方が確実でしょう。
Q.遺言執行者は、どのような人がなれるのでしょうか?
A.一般の人でもなれますが、法律上遺言執行者となることができない者(成年被後見人や被保佐人など)や破産者はなれません。遺言の内容によっては複雑な手続が必要になることもありますので、弁護士を遺言執行者として指定しておく方がよいでしょう。
Q.遺言書に遺言執行者が定められていなかった場合で、遺言執行者を選任するには、どのような手続きをとったらよいでしょうか?
A.遺言執行者が遺言に定められていない場合や、遺言に定められていたが当該遺言執行者が就任を拒否した場合(法律では、就任するか否かは指定された人の自由とされています)、遺言執行者の選任が必要であれば、利害関係人が、家庭裁判所に選任の申立をすることになります。