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道路交通法改正~自転車は「車両」です

道路交通法改正~自転車は「車両」です~

大河原 壽貴弁護士 大河原 壽貴

2008年6月1日より、改正道路交通法が施行されています。今回の改正では、主に自転車の交通ルールについて、あいまいになっていたものが整備されることになりました。

これまでも自転車は、道路交通法上「軽車両」の1つとして定められており、「軽車両を除く」とされる一部の規定や、軽車両について特別の定めのある場合を除いては、道路交通法上の規制が一般の自動車と同様に及んでいました。ところが、自動車やオートバイを運転中の軽微な交通違反について課せられている交通反則通告制度(いわゆる青キップ)が自転車には適用されていないこともあり、自転車の交通違反については事実上放置されてきたのが実態でした。

昨今、自転車と歩行者、あるいは自転車同士の事故が増加したこともあり、自転車の交通ルールをきちんと定める必要から、今回の法改正に至りました。

1 自転車は原則車道の左端を走行

これまでも、自転車は「軽車両」として、法律上は車道の左端を走行するものとされてきましたが、実際は、「自転車は歩道を走るもの」として社会的に認知されていました。今回、改めて、自転車は原則車道の左端を走行するものと確認されることになりました。

その上で、例外的に歩道を走れる場合として、

  1. 道路標識等(右の標識など)により通行することができるとされている場合
  2. 児童(6歳以上13歳未満)や幼児(6歳未満)が運転する場合
  3. 70歳以上の者が運転する場合
  4. 安全に車道を通行することに支障を生じる程度の身体の障害を持つ者が運転する場合
  5. 車道等の状況に照らして自転車の通行の安全を確保するため、歩道を通行することがやむを得ないと認められる場合

が明記されることになりました。

歩道を走る場合は、左右どちら側という規制はありませんが、歩道の中の車道よりを走行しなければならず、原則として歩行者が優先です。

自転車で走っていると、車道の右側を走っていたり、歩道で歩行者に対してベルを鳴らして走っている自転車をよく見かけますが、原則としては道路交通法違反になります。

2 児童・幼児のヘルメットの義務化

児童や幼児を自転車に乗せる場合には、その保護者に対して、ヘルメットをかぶらせることが努力義務として規定されることになりました。

3 その他、自転車を取り巻く交通ルールについて

今回の道路交通法改正に伴い、警察庁では「自転車の交通秩序整序化に向けた総合対策の推進について」という交通局長通達を出しています。この中で、自転車利用者の交通違反に対する指導取り締まりを強化するとされています。

この機会に、道路交通法上の自転車のルールを確認しておきたいと思います。

(1) 飲酒運転の禁止

道路交通法上、自転車も酒気を帯びて運転することは禁止されています。中でも酒酔い運転(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態での運転)については、自転車についても罰則(5年以下の懲役又は100万円以下の罰金)が定められています。

(2) 二人乗りの禁止

自転車の二人乗りについては原則として禁止されています。例外的に許可される場合は「16歳以上の運転者が、幼児1人を幼児用乗車装置に乗車させ、又は背負い、ひも等で確実に緊縛している場合」(京都府道路交通規則9条)です。

(3) 並んで走ることの禁止

「並進可」の標識があるところ以外では、並んで走ることはできません。

(4) ライト点灯義務

夜間、自転車で道路を走るときは、前照灯及び尾灯(又は反射器材)をつけなければなりません。

(5) 傘差し運転の禁止

傘を差して、又は傘を差した者を乗車させて自転車を運転することは、原則としてできません。自転車に固定していても「傘を差して」いることには、変わりありません。(京都府道路交通規則12条(9))

(6) 運転中の携帯電話は?

自動車や原動機付自転車については、運転中の携帯電話の使用が明文で禁止されています(道路交通法71条5項の5)が、自転車にはそのような規定はありません。ただし、一般的な安全運転義務違反(道路交通法70条)とされる可能性があります。

なお、(2)~(4)の違反については罰金等の罰則が定められています。

自転車も、一歩間違えば重大な事故につながります。ルールを守って安全に運転してください。

2008年12月