活動紹介

全員救済!全面勝訴! 関西建設アスベスト京都訴訟・大阪高裁で歴史的勝利判決!

全員救済!全面勝訴!関西建設アスベスト京都訴訟・大阪高裁で歴史的勝利判決!

2018年8月31日、大阪高等裁判所第4民事部は、関西建設アスベスト訴訟の控訴審において、被害者25名全員を救済するという、まさに全面勝訴判決を言い渡しました。国と企業に対する責任を、第一審・控訴審がいずれも認めたのは京都訴訟が全国で初めてのことです。

国や企業に賠償を命じた額も京都地裁の時よりも増額し、国に対して約1億8885万円余り、企業に対して合計約1億1320万円余りの損害賠償を命じました。この点でも大きな前進といえるでしょう。

国の責任については、一人親方(労働者ではない個人事業主、零細事業主)に対する国の責任が認められるかどうかが大きな争点でした。建築現場では労働者もそうでない人もたくさんの人が同じように働いており、同じようにアスベスト被害に苦しんでいるからです。京都の被害者の中にも、一人親方として働いてきた方が半分近くおられ、京都地裁では残念ながら国の責任が認められませんでした。これが控訴審の大きな課題だったのです。審理の途中、本年3月の東京高裁判決で初めて一人親方に対する国の責任が正面から認められ、京都訴訟にも大きな期待が寄せられていました。その中で、全国で2例目となる一人親方に対する国の責任を正面から認める判決となり、全員救済へとつながりました。全国の力が結集した成果です。

アスベスト建材を大量に作って大きな儲けを挙げてきた企業についても、地裁のときの9社よりも1社多い、10社について責任を認めました。建築作業者は多数の現場を転々として働きますから、いつ、どこで、どのような、どの企業の建材を使用したのかを特定することは不可能です。大阪高裁判決はこの点を再度正面から認め、幅広く企業の責任を認めています。危険な製品を作ってきた者を許さない、そういった私たちのメッセージが届きました。

まさに全面勝利判決。でもアスベストの裁判はまだ続きます。直近では9月20日に、同じ関西建設アスベスト訴訟の大阪訴訟の控訴審判決が大阪高等裁判所で再び言い渡されます。東京高裁判決に対しては既に最高裁に上告されています。 今回の判決を大きな力として、アスベスト被害の全面解決へと私たちも力を尽くしたいと思います。これまでのご支援に大きな感謝を申し上げるとともに、より一層のご支援を頂ければと思います。

当事務所弁護団
弁護士 村山 晃、大河原 壽貴、秋山 健司、谷 文彰