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養育費・婚姻費用(生活費)の基準が15年ぶりに改訂されました

養育費・婚姻費用(生活費)の基準が15年ぶりに改訂されました

2019年12月27日
弁護士 谷 文彰

養育費・婚姻費用(生活費)の基準が新しく

2019年12月23日、「平成30年度司法研究(養育費、婚姻費用の算定に関する実証的研究)」が報告されました。これは養育費と婚姻費用(生活費)の標準額として全国の裁判所等で用いられている基準(「算定表」と呼ばれています。)を新しくしたもので、これまで用いられていた算定表の策定から15年余りが経過していることを踏まえて策定されたものです。今後、離婚や別居などの際に養育費や婚姻費用(生活費)を定めるにあたっては、この新しい算定表が広く用いられることになると思われますので、紹介いたします。

金額の定め方についての基本的な考え方に違いがあるわけではありませんが、世相を反映してか、全体的に見れば養育費や婚姻費用(生活費)の金額は増加傾向にあるようです。特に収入が高い場合にはその傾向がありますが、逆に収入が低い場合には大きな変化はないようです。

【裁判所ホームページ】

平成30年度司法研究(養育費、婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について

成年年齢引下げとの関係について

この間の大きな動きとして成年年齢が18歳に引き下げられるということがありましたが、これとの関係については、「養育費の支払義務の終期は未成熟子を脱する時期であって…未成熟子を脱するのは20歳になる時点とされ、その時点が養育費の支払義務の終期と判断されることになると考える」とされています。

そのため、成年年齢引下げによる影響はないと思われます。

既に養育費や婚姻費用(生活費)の額について取決めのある場合

既に離婚されている場合など、上記報告が発表された時点で既に養育費や婚姻費用(生活費)の額について取り決めている、という方も多いと思います。当然これまで用いられていた算定表を元に金額が定められているはずですが、今回の報告は、「養育費等の額を変更すべき事情変更には該当しない」とされています。

もっとも、一般論として、養育費や婚姻費用(生活費)を定めてから数年が経ち、当時の事情から変更があった場合には、話合いあるいは調停等によって金額が変更される場合も出てきます。そのような場合には新しい算定表が用いられる場合もあるでしょう。

養育費の不払いでお困りの方へ

ところで、離婚にあたって養育費を定めたけれど相手が支払ってくれないという方もいらっしゃると思います。

この点に関連しては、今回の上記報告とは関係がないのですが、来年に民事執行法の改正が予定されており、一定の場合に相手方のより詳細な情報を入手できるようになる見込みです。そうなれば、そこで得た情報を用いて差し押さえを行うことなどもできるようになるかもしれませんので、お困りの方は一度ご相談ください。