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B型肝炎事件にて勝利的和解!! ~「母子感染でないこと」の直接の証明が困難な事案について~

B型肝炎事件にて勝利的和解!!
~「母子感染でないこと」の直接の証明が困難な事案について~

2020年1月6日
弁護士 寺本 憲治

はじめに(B型肝炎について給付を受けるための一般的な条件)

「特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法」(B型肝炎救済特別措置法)により、一定の条件を満たせば給付金の支給を受けることができます。

給付を受けるためには(一次感染者の場合)、①B型肝炎ウイルスに持続感染していること、②満7歳になるまでに集団予防接種等を受けていること(昭和16年7月2日~昭和63年1月27日までに生まれた方)、③集団予防接種等における注射器の連続使用があったこと、④母子感染でないこと、⑤その他集団予防接種等以外の感染原因がないこと、という条件を満たす必要があり、この条件を満たすという証拠を提出して裁判所で認定してもらう必要があります。

ご相談を受けている事案の中で、とりわけ証明(証拠の提出)が難しい条件は、「④母子感染でないこと」です。母親が既に亡くなっていて何の資料も手元にないためにこの条件が証明できず、請求を断念せざるをえない方がいらっしゃいます。

一般的に、国が定めた条件によると、⺟親が死亡している場合は、⺟親が80歳未満の時点のHBs抗原陰性の検査結果が必要とされています。

これに対して、母親が80歳以上の時点の検査の場合は、HBs抗原の陰性化(持続感染しているが、ウイルス量が減少して検出されなくなること)が無視できない程度に発⽣することが知られているため、HBc抗体も併せて確認することが必要とされています。

又は、年⻑の兄弟姉妹のうち⼀⼈でも持続感染者でない者がいることを証明することが必要とされています。

事案のご紹介(「母子感染でないこと」の直接の証明が困難な事案)

今回解決に至った事案についても、ご依頼者様(慢性B型肝炎の患者様)は60代後半の女性で、母親が既に亡くなっておられる事案でした。

さらに、今回解決に至った事案は、兄弟姉妹がおられない一人っ子の事案であったため、「母子感染でないこと」の直接の証明が困難な事案でした。

まずは、母親が生前に入通院していた病院全てに照会手続を行いカルテ等医療記録の有無を確かめて、記録が残存している病院からは全ての医療記録を取り寄せました。これに対して、記録が残存していない病院からは残存していない旨の証明書を取り付けて、全て裁判に提出しました。

そうしたところ、母親が95歳時点でのHBs抗原陰性の検査結果については発見することができました。ただし、この検査結果だけだと国が定めた条件を直接は満たしていないため(母親が80歳以上の時点の検査の場合であり、本来はHBc抗体も併せて確認することが必要とされているため)、これ以上どのように証明を行うか検討が必要となりました。

その後、これ以上は検査結果や母子手帳等も発見できなかったため、ご依頼者様ご本人から昔のお母様の様子等を詳しく聴き取って陳述書を作成して裁判に提出しました。

そうしたところ、最終的に国は給付金の支給を認めて、合計約1300万円(慢性B型肝炎に対する給付金1250万円+弁護士費用4%相当額+検査費用等)を獲得することが出来ました。

最後に

今回解決に至った事案は、「母子感染でないこと」の直接の証明が困難な事案でしたが、ご依頼者様と弁護士が知恵を出し合い、粘り強く証拠を提出し続けた結果、給付金を獲得することが出来ました。

今後も被害救済のため、困難な事案であっても全力を尽くしていく所存です。B型肝炎に感染されて上記一定の条件をある程度でも満たすと思われる方は、一度弁護士までご相談下さい。

なお、給付金は2022年1月12日までに請求する必要がありますので、お早めにご相談ください。

以上