[事件報告1]
京都放送見事に再建成就
今から13年前、146億円という途方もない根抵当事件に巻き込まれ、会社更生法を使って再建闘争を展開してきたKBS京都が、遂に更生の終結を迎え、見事再建を成し遂げました。
労働組合を中心に、従業員が固く団結して、会社更生法の申立を行ったことは、ほんとうに誰もが驚く快挙でした。組合が無かったら、今頃KBSは無かったのです。
苦難の連続でした。当初、申立をするとしていた会社は、突然手のひらを返し、申立はしないと言明しました。抵当権にもとづく競売が開始され、免許更新も危ぶまれている時でした。
担当裁判官は、会社の口車に乗せられ、「会社を潰すような労働者の申立に協力できない」と言い出し、いろんな難問を突きつけてきました。私たちは、郵政省に赴き「更生法こそ会社再建の確かな道」であることを認めさせました。それを持って裁判所に強く迫り「受理」の道をこじ開けたのです。
申立の日、マスコミは、再建の歩みを後押しするように、そろって「再生へ」という報道をしてくれました。
更生法は、会社を腐らせた株主や経営陣を一掃して、会社を健全に建て直すための大きな武器でした。もっとも諸刃の剣なのです。働く人たちは、そのために身を削る努力を余儀なくされることも覚悟してのことでした。
それから13年間、あらゆる妨害を排除して、申立をした時の気持ちにいつも立ち返り、見事「更生法」をクリアしたのです。ずさんな経営者と、対極にあった労働組合の社会的役割が、鮮やかに示された事件でした。
「京都第一」2008年新春号