京都第一

北山エリアの整備計画(府立植物園・府立大学など)は府政の転換による抜本的な見直しが必要です

北山エリアは、閑静な住宅地、北山通り沿いの個性ある店舗群、博物館としても世界的価値の高い府市民の憩いの場である府立植物園、府立大学、コンサートホール、歴彩館など、歴史・文化都市京都市の中でも質の高い住宅・文教地域です。一方で、府立大学の施設の老朽化、府立資料館の跡地利用問題などの課題を抱えており、これまでの優れた特質をふまえた今後のまちづくりのあり方が注目されるところです。

ところが、今般京都府が計画している北山エリアの整備計画は、地域からの要望(ボトムアップ型)ではなく、京都府が東京のコンサルタント会社に依頼して案が出てきたもので、植物園の緑地を削減して商業施設にしたり、音楽堂等を配置してアミューズメントパークのように商業化しようとするものです。

また、府立大学の体育館を1万人規模の商業的利用のアリーナにする、資料館跡地をホテルとして利用する、北山通りの植物園側の樹木を伐採して商業施設にする、周辺の住環境(住宅地は10m、北山通り沿いは15m)と調和しない20mの高さを認めるなど、地域の歴史・文化・閑静な住宅環境を無視したものと言わざるを得ません。

これに対しては、既に、北山エリアの将来を考える会、京都府立植物園を守る会、京都府立植物園整備計画の見直しを求める会(なからぎの森の会)がそれぞれの立場(住民・市民・専門家)から見直しを求めて活発に活動しており、植物園問題では既に全国から9万人を超える署名が寄せられています。

今後のまちづくりのあり方を検討するにあたっては、本来、まず住民・市民(大学では学生・教職員)の意見を聞き、合わせて植物やまちづくりの専門家の意見を聞くことが求められているうえ、これまでの質の高い到達点を持続可能性をもって発展させることが必要です。

ところが、東京発のコンサルに丸投げして出てきた案は、植物園の心臓部であるバックヤードの削減を含む、無知・無責任の商業化案で、さすがにバックヤードの削減は府知事も撤回しましたが、まちづくりの進め方自体が根本的に逆転しています。

この問題は、府知事選の重要な争点でもあります。府政の転換を実現させましょう。

バラ園から比叡山を望む

「京都第一」2022年新年号