京都第一

所属弁護士 PICK UP② 依頼者の人生の岐路でサポートができるのがやりがい

弁護士を目指したきっかけは?

子どものときから本が好き、自分でも何か書きたいと高校では新聞部に入りました。大学は一橋大学の社会学部に入学、卒業後は、女性でも一生働ける堅実な職場を求めて生協に就職しました。ただ、当時の組織は女性を使いあぐねている感じで、補助的な仕事が多く、モヤモヤしていました。そこで在職中に一念発起し、司法試験の勉強をスタートしました。社会学部での学びから、社会正義に関わる仕事がしたいと思っていました。

プライベートでは、大学のときから付き合っていた夫と就職後すぐに結婚。夫は大学院に進学して研究職をめざしていたため、どこに就職するかわかりません。「日本全国、どこでも働くことができる資格が欲しい」とも思っていました。

その後、夫が就職したのを機に、仕事を辞めて司法試験の勉強に専念し、2000年11月に合格、2002年10月に弁護士となりました。

弁護士となって2年目に子どもを授かり、仕事との両立の忙しさから、一時期は趣味の読書も封印しましたが、「他人の話を聞いて共感して自分のことのように考える」という読書体験は、仕事に生きていると思っています。依頼者の話をよく聞き、依頼者の人生の岐路でどんなサポートができるのか一緒に考えていくことに、弁護士としてのやりがいを感じています。

忘れられない、あの裁判

逆転勝訴。でも過労死した教師は帰らない

新人弁護士の頃、中学教師の過労自殺事件の弁護団に加わり、公務災害認定を請求しましたが、不服申立手続きも含め全て認定外、司法の場に判断を求めた京都地裁でも請求は棄却。最初は新人だった私が主任となり、ご遺族や支援者の方々と一丸となって闘い、2012年2月、大阪高裁でついに逆転勝訴しました。喜びと同時に、亡くなられた家族が戻ってくるわけではないという事実の重さも噛みしめた事案でした。

2012年2月24日 日本経済新聞

これからの目標は?

「男女共同参画めざして道を拓いていきたい」

弁護士の女性の割合はたった2割。圧倒的に強い男性目線が、判決に影響することが多々あります。そんな司法の現場を内側から変えていきたいと思い、2021年度に京都弁護士会の副会長に就任しました。また、同年度、日弁連は女性理事を増やすためクオータ制を導入しました。今後は日弁理事に立候補し、男女共同参画の道を拓いていきたいと考えています。

わたしの愛読書

巴里の空の下
オムレツのにおいは
流れる

石井 好子[著]

子どもの頃、家にあったこの本を読み、バターたっぷりのオムレツや外国の料理に心踊らされました。私、小食なのですが、おいしい「食」の本を読むのは大好き。大人になって自分で買い直して読むほど、「好き」の原点となった本です。

酩酊混乱紀行
『恐怖の報酬』日記

恩田 陸[著]

イギリス行きの飛行機に乗る恐怖から延々と綴られるエピソードのおもしろいこと! 私自身が一時期イギリスで暮らしていたこともあって共感の嵐です。ユニークな描写にニヤリとしながら、何度も読み返しています。

「ダイイチ」2023年新春号