北陸新幹線延伸に「待った!」の声が高まっています
すでに開業された敦賀までの北陸新幹線を新大阪まで伸ばすこの計画は、2016年に「小浜・京都ルート」が選定されて以降、様々な問題点が浮き彫りになった結果、未だ着工されていない(当初2023年着工予定)という異例の状況にあります。
総距離約140kmの「小浜・京都ルート」は、その約8割がトンネル区間であり、長大なトンネル工事に伴って、多岐にわたる環境への悪影響が懸念されています。
例えば、「建設発生土への対応」です。トンネル工事に伴い発生する大量の建設残土(うち約30%は重金属を含む要対策土とされています)の保管場所や処分方法、それによる環境影響は明らかにされていません。土砂の運搬車両による暮らしへの影響も避け難いでしょう。
さらに「地下水への影響」です。お酒に豆腐、染物や銭湯など、京都の地下水によって育み支えられてきた伝統産業や文化が京都には数多く存在します。現在提示されている京都市内の地下トンネルは、京都の地下にある水を通しにくい地層(難透水層)を上下に突き破るものであり、それによって生じる地下水分布の変化や、掘削工事の過程で周囲の土に沁み込ませる薬液(界面活性剤など)による地下水汚染のおそれが専門家から指摘されています。
「費用対効果」も重大な問題です。2016年時点の試算でギリギリ費用対効果があるとされていましたが、近年の物価高騰や着工の遅れにより、2016年当時の試算よりも工費は2倍以上に膨らむことが明らかとなっています。
ルートの再検証、府知事の動向に要注目
こうした指摘や世論の動きを受け、昨夏の参議院選挙では、延伸事業の旗振り役であった現職候補者が大幅に票を減らし、敦賀以西の「ルートの再検証」を行うと宣言する状況に持ち込むまで至りました。
しかし、肝心の京都府知事は、事態を静観する立場に終始しており、計画に反対の意思を示すことなく曖昧模糊とした発言を繰り返しています。環境面でも財政面でも、京都の未来に深刻なリスクを負わせるこの計画に対し、正面から反対の立場を示し、撤回を求めることこそ府知事に期待する役割ではないでしょうか。その意味で、今春に予定されている京都府知事選挙は、この新幹線計画に対する基本姿勢が大きな争点になり、計画の行方を左右する、私たち京都府民にとって重要な選挙になるでしょう。
未来の京都を選択するのは私たち京都府民です。より多くの人に、この問題への関心をぜひ深めていただければと思います。

弁護士