まきえや

門川京都市長、オリックス不動産の横暴を許すな!梅小路公園水族館建設問題

[事件報告]

門川京都市長、オリックス不動産の横暴を許すな!梅小路公園水族館建設問題

問題の発端

2008年7月、門川大作京都市長は、京都駅近くにある広域避難場所でもある緑豊かな梅小路公園に、オリックス不動産が「(仮称)京都水族館整備構想」の提案を行ったことを公表しました。

しかしこの構想は既にその3年程前から水面下で練られており、2005年12月には、オリックス不動産が京都市にその素案を提示して打診していたことが明らかになっています。

梅小路公園とは

梅小路公園は、市街地の中心(京都駅から西へ徒歩約15分)にありながら人が緑と花で憩える空間として、また災害時には市民が避難できる場所として、1995年から開園している面積約11.7ヘクタールの都市公園です。公園内には、広々とした「芝生広場」、水と親しめる「河原遊び場」、賑わいのあるイベントが開催される「七条入口広場」、フィールドアスレチックのある「ふれあい広場」などがあり、建都1200年記念の日本庭園「朱雀の庭」や、自然がいっぱいのビオトープ「いのちの森」があります(京都市都市緑化協会ホームページより)。この緑豊かな公園に、イルカショーを行えるような巨大水族館が作られるのです。

市民意見と整備構想検討委員会の答申

2008年9月、京都市は第三者委員会「京都水族館(仮称)整備構想検討委員会」に公園施設の設置許可の妥当性について諮問をするとともに、市民意見の募集を行いました。結果、市民意見の方は、「何で京都に水族館なのか」という意見が多く、京都新聞でも「市民、疑問の声多く」と報じざるを得ないような結果になりました。市民から寄せられた声の結果は、「反対」「どちらかと言えば反対」の両方を合わせると約7割に達する結果だったのです。しかしながら検討委員会の方は、一定の条件を付した上で設置許可は妥当という答申を行ってしまったのです。

市民意見を無視しての計画推進

多数の市民意見は反対であるにも関わらず、門川市長は、「答申を最大限に尊重したい」等と述べて水族館計画を推進させる態度を表明したのです。「さわやかで平穏で緑豊かな梅小路公園と地域の環境を壊さないでほしい」「海のない京都市になぜ『海の水族館』なのか?」「生物多様性の保護が国際的関心となっているこの時勢の中でイルカショーをやるとは何事か」「歴史都市京都に相応しいのかよく検討すべき」「京都議定書の発祥の地京都に温室効果ガスを大量に排出する水族館は相応しくない」「災害時の広域避難場所の面積が狭められるのではないか」等の疑問の声が渦巻く中、門川市長は2010年5月14日、ついに設置許可を下ろしてしまいました。

裁判の場で是正を!

「オリックス不動産の声は聞くが市民の声は聞かない」という門川市長の態度を改めさせるため、門川市長が行った、オリックス不動産申請の水族館設置許可の取消を求める裁判を提起しました(2010年11年9日)。その中で、オリックス不動産という特定の企業と門川市長の間の一種の談合ともいうべき非常に不明朗なやりとりがなされたこと、市民意見の多数を無視しての計画強行がなされたこと、水族館の実態はイルカショーを中心とした大型商業施設であって学習教養施設というのは名目に過ぎないこと、年間約4,800トンものCO2を排出する施設であること、生物多様性保護に逆行する施設であること、騒音被害が発生すること等の問題点を掲げて闘っています。また、京都市がオリックス不動産から徴収する公園使用料が、本来1・あたり378円として計算されるべきところ、214円として計算されているため、水族館建設期間中は月額220万5,800円、竣工後は月額134万8,736円も減額されているという問題もあります。この不正を正すための住民訴訟も提起されています(2011年1月25日)。様々な面で不公正が行われているこの事件を、裁判の中でしっかり是正させていきたいと思います。ご支援よろしくお願い致します。

建設中の京都オリックス水族館

緑豊かな公園に本当に必要な施設なのでしょうか

「まきえや」2011年春号