事件報告 Xバンド・レーダー問題
Xバンド・レーダー基地計画
2013年2月末、京都府京丹後市の経ヶ岬にある自衛隊の分屯地に「Xバンド・レーダー」を設置し米軍基地をつくる計画が発表されました。
Xバンド・レーダー基地について
「Xバンド・レーダー」は、アメリカのミサイル防衛システムの一部をなすもので、敵国からの弾道ミサイルの発射を察知するための「兵器」です。Xバンド・レーダーの設置によって、アメリカは敵国のミサイルを無力化し、アメリカが一方的に攻撃できる状態を作ろうとしています。仮に、このようなレーダーを経ヶ岬に設置すれば、アジア地域の軍事的緊張が高まり、日本がアジアの国々から標的とされる危険性だけでなく、戦争放棄・戦力不保持を定めた日本国憲法9条に違反し、同条が禁止する集団的自衛権を行使する危険性があります。また、Xバンド・レーダーは強力な電波を発します。この電波が周辺住民や自然環境にどのような影響を与えるのかは明らかにされておらず、非常に不安な点と言えます。
Xバンド・レーダー反対運動の経過
このような危険なXバンド・レーダー基地の設置計画について、これまで、反対運動が京都府全体で広く行われてきました。
5月1日、峰山町で、Xバンド・レーダー基地反対の地元集会が開かれました。
5月22日には京都市内で、『京都に米軍基地いらない京都府民の会』の結成総会が行われました。この結成総会には、250名もの方が参加され、署名運動の推進、現地集会、現地立て看板等の取り組みが提案されました。
この提案を受け、2週間に1回のペースで、Xバンド・レーダー基地反対の街頭宣伝が四条烏丸・三条河原町で行われてきました。6月11日には府庁前街頭演説とデモが行われ120名が参加しました。6月15日に行われた『京都に米軍基地はいらない!!6・15京丹後集会』には、雨にもかかわらず、500名以上が参加しました。8月に行われた京丹後市の住民説明会では180人が参加し不安や反対意見が続出しました。
基地設置の反対署名は22,856筆(8月1日集約分)が集まっています。基地建設反対の立て看板は現地に345本、宮津市、与謝郡に100本(2013年8月29日現在)が立てられています。
反対の声を無視した府知事
このような大きな反対運動があるにもかかわらず、9月10日、山田知事は防衛省で小野寺五典防衛相と会談をおこないました。会談後の同月19日、山田知事は安心安全の確保と地元の意見が整ったことを踏まえ、府としてはレーダーの配備に協力したいと述べ、Xバンド・レーダーを受け入れる意向を表明しました。さらに、米軍基地設置のために土地買収の説明会が予定されています。
しかし、米軍基地ができれば、米軍による犯罪、電磁波の影響、レーダー基地が標的となる等、不安や危険な点ばかりです。加えて、8月の住民説明会で反対意見が続出したように、地元の意見は整っていません。地元だけでなく京都府民全体がXバンド・レーダー基地の設置に反対しています。
今こそ日本国憲法9条を活かすとき
日本国憲法9条は侵略戦争に対する反省のもと「戦争をしない」、「武器を持たない」ということを定めています。現在この日本国憲法9条の解釈を巡って議論が起きており、集団的自衛権を認めるべきであるという恐ろしい意見が出され、日本が再び戦争をするための国づくりが進められようとしています。このような情勢の中で、「兵器」であり、集団的自衛権の行使につながる危険性を持つXバンド・レーダー基地の設置に反対し、基地の設置を断念させることが、戦争をする国づくりに反対し日本国憲法9条の理念達成するうえでとても大切です。
今こそ憲法9条を活かし、米軍基地設置に反対し、基地の設置を断念させるために今後も運動を広げていきましょう。