活動紹介

関西建設アスベスト京都訴訟の控訴審が始まりました

関西建設アスベスト京都訴訟の控訴審が始まりました

1 ついに始まった高等裁判所での闘い

歴史的な勝利判決から9か月余りとなる11月4日、ついに関西建設アスベスト京都訴訟の控訴審がスタートしました。

アスベストの危険性を知りながら何ら適切な規制をしなかった国だけではなく、全国で闘われている建設アスベストの裁判では初めて、安全であるかのようにアピールしてアスベスト建材を大量に製造・販売してきた建材メーカーの責任をも認めた京都地裁判決をより前進させるための闘いが、大阪高等裁判所(第4民事部)で始まったのです。大阪高裁での目標は明確です。第一に、国だけではなく企業の責任をも認める司法の流れを定着させること、第二に、一人親方に対する国の責任を認めさせること。第三に、法的責任を負うべき企業の範囲を一層広げること、です。

午後2時の期日に先立って行われた期日前集会には関西一円から多くの支援者が詰めかけました。京建労の吉岡委員長や弁護団長の村山弁護士が高裁での審理に向けた決意を述べた後、多くのテレビカメラがその様子を撮影する中、全員で入廷行動を行いました。

期日前集会で決意を述べる弁護団長の村山弁護士

原告を先頭に大阪高裁へと入廷行動

2 注目は日増しに高まる

期日では原告2名と弁護士7名が意見陳述を行い、建設アスベスト訴訟の到達点である京都地裁判決を基礎に、より一層発展させ、救済の範囲を拡げることが高等裁判所の使命であることが明らかにされました。また、地裁での結審後判決までの8ヶ月間だけでも4名が亡くなるなど、既に16名の方が解決を迎えることができずに命を絶たれるという壮絶な被害を訴え、早期全面救済を強く求めました。

期日の後に行われた記者会見には、原告から長野さんと北村光子さん、弁護団から村山弁護士と私が参加し、京建労の酒井書記長、二陣原告予定の北村セツ子さんも出席。初めてメーカー責任が認められた京都訴訟の控訴審ということで記者の関心も高く、「国はどのような主張をしているのか」「メーカーの控訴理由の概要は」「今後の進行は」など、いくつもの質問が出され、「それぞれから提出されている書面を見せてほしい」ということまで求められました。京都地裁判決後のマスコミ報道は、一様に「国と企業の責任で被害救済を」と論じましたが、全面勝利判決となった京都地裁判決の影響がマスコミにも届いているのだと実感しました。

期日後の記者会見で発言する原告団共同代表の長野さん

3 ご支持・ご支援をお願いします!

期日後に行われた報告集会も多くの人であふれ、全面勝利・完全救済まで全力で闘いぬくことを誓いました。

年内には二陣原告も京都地裁への提訴を予定しています。これからも闘いは続きますが、当事務所としても、弁護団長の村山弁護士を先頭に最後まで全力を尽くします。みなさまのご支持・ご支援を心からお願い致します。

(当事務所からは、村山、大河原、秋山、谷の4名が弁護団に加わっています)