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建設アスベスト訴訟、最高裁判決が迫る!~判決期日は「追って指定」に~

2020年10月22日、建設アスベスト訴訟に関する審理を行う期日が最高裁判所で開かれました(「弁論」といいます)。今回の期日は、2017年10月27日、全国で初めて建設アスベスト訴訟に関する高等裁判所の判決が下された神奈川一陣訴訟に関するものです。

期日では、夫と息子をアスベスト疾患で亡くした女性と、一人親方(労働者ではない個人事業主や零細企業主など)として建設現場で働いてきた方、あわせて2名の原告が被害の実態を訴えました。続いて弁護士から、なぜ建設アスベスト訴訟において国と建材メーカーが法的責任を負わなければならないのか、どのような救済があるべきなのかなどについて意見陳述が行われました。裁判官も熱心に聞き入っていたということであり、わたしたちの訴えてきたことが最高裁判所にも十分に届いたことと思います。

神奈川一陣訴訟の高裁判決は、高等裁判所として初めて建設アスベスト被害に関する国と建材メーカーの法的責任を認めたものであり、極めて大きな意義がある一方で、一人親方に対する国の責任を否定し、認められた建材メーカーの責任もかなり限定的であったという意味で、克服すべき課題もありました。最高裁判決によってこれらの点が見直され、救済が大きく前進する可能性があります。

 

最高裁判所は弁論を開いた上で判決期日も指定することが通常ですが、今回は、判決期日は「追って指定」ということになりました。異例のことと言ってよいでしょう。

最高裁判所には、現在、建設アスベスト訴訟のうち神奈川一陣訴訟だけではなく、東京一陣訴訟、京都一陣訴訟、大阪一陣訴訟、九州一陣訴訟も係属しています。これらの事件についても随時期日を設けるなどしたうえで、統一的な判決を下すのではないかとも考えられます。私たちが取り組んでいる京都訴訟もいよいよ判決が迫っているということになるわけです。

最高裁判所の判決、それからその先にある全面解決・全員救済へと、これからも一丸となって頑張りたいと思います。建設現場で働いておられて肺がんや中皮腫などのご病気になられた方やそのご遺族の方、ぜひご相談ください。