活動紹介

建設アスベスト京都訴訟で厚労大臣が原告らに謝罪

建設アスベスト京都訴訟で厚労大臣が原告らに謝罪

1月28日の最高裁判所の決定によって国と建材メーカーの賠償責任が確定した関西建設アスベスト京都1陣訴訟について、3月25日、国の担当者が京都の原告団に直接謝罪しました。

私たちは「謝れ、償え、なくせ、アスベスト被害」を合い言葉に提訴以来10年間にわたって闘いを続けてきましたが、ようやくその1つが実現したのです。

謝罪は、大臣官房審議官、労働基準局石綿対策室長、同室係長の3名が京都を訪れ、原告団と面会し、大臣の謝罪文を読み上げて直接手渡すという形で行われました。本来であれば大臣自身が直接謝罪するのが筋ですが、国会開会中であることやコロナ対応で多忙であることを考慮し、まずはこのような形で謝罪の場を設け、今後然るべき時機に大臣と直接面談する機会を設けることとなりました。

大臣からの謝罪文は、国の敗訴が確定した高裁判決を「大変重く受け止め」、「責任を感じ、深くお詫び申し上げ」ること、これまでの原告の苦労に思いを馳せた上で「重ねて、心からお詫び申し上げ、謝罪の気持ちをお伝えさせていただければと存じます」という内容です。

原告団に頭を下げて謝罪する大臣官房審議官

原告団に頭を下げて謝罪する大臣官房審議官

謝罪文の交付を受ける原告団代表

謝罪文の交付を受ける原告団代表

その後、原告団から訴えがありました。みなさま一様に、今も苦しんでいる人がいる、私たちだけではなくてすべての人をきちんと救済してほしい、若い人が安心して働けるような建設現場にしてほしい、建材メーカーに対してもきちんと音頭を取った上で救済基金を必ずつくってほしいと仰いました。

続けて当事務所の弁護士である訴訟の弁護団長を務める村山晃からも訴えが。もっと早くこのような場を設けることができたはず、提訴からの10年間で多くの人が亡くなるという悲しみを今後の人たちにさせないでほしい、結論を重く重く受け止めてよい制度を作る機会としてほしい、2陣訴訟でも早期に和解するべきと指摘しました。

建築職人の組合の代表者も、一生懸命働いてきただけなのに命や健康を奪われた被害者の無念や、「いのちあるうちの解決」を強く訴えました。

これらを受けて国の担当者は「きちんと持ち帰り、今後の対応を検討する」と応じました。

国が被害者に謝罪し、一つの区切りとなりました。しかし2陣訴訟やその他の多くの被害者がおられます。もちろん建材メーカーにもしっかりと責任を果たしてもらわなければなりません。

アスベスト被害の救済と根絶を目指し、これからも取り組みを続けたいと思います。