活動紹介

遺言執行者の仕事を弁護士などに委任できます(民法改正)

1 遺言執行者とは

 遺言執行者というのは,遺言の内容を実現することなどを任務とする者です。例えば預貯金であれ ば解約・払戻しや遺言で指定された人への引渡しを行いますし,不動産であれば名義変更などを行うことになります。

 遺言執行者は多くの場合は遺言で指定されますが,指定されていない場合などには家庭裁判所が選任することもあります。

 この遺言執行者は,民法改正までは,原則として自分自身で職務を行わなければならず,「やむを得ない事由」がない限り他の人に委ねることはできないとされていました。公正証書遺言で「遺言執行者は,本遺言の執行に関し,第三者にその任務を行わせることができる」などとわざわざ明記していたのも,このように民法上本来的には他の人に委ねることができないとされていたことが大きな理由です。

 

2 民法改正により遺言執行者の職務を第三者に任せられるように

 しかし,遺言の内容は複雑な場合もありますし,専門家でない方には慣れないことで負担になることもあります。迅速・正確に職務を行わなければならず,不安に思われる方もおられると思います。

 そういったニーズがあったことや法理論的な問題が指摘されていたこともあり,民法改正によって,「自己の責任で第三者にその任務を行わせることができる」ということになりました(改正民法1016条)。これにより,遺言で遺言執行者としてされた場合も,その職務を弁護士などの第三者に委任することができるようになったのです。

 

3 経験豊富な当事務所にお任せください

 当事務所でも遺言執行者として指定された方から「専門家に任せたい」というお話を頂いており,遺言を書かれた方の御遺志にしっかりと沿えるようにと手続きを進めています。当事務所ではほかにも様々な形で遺言執行の職務を行ってきておりますので,安心してお任せいただくことができます。必ずお力になりますので,遺言執行者として指定された方,まずはご相談ください。

 なお,注意が必要なのは,このように遺言執行者が職務を第三者に委任することができるのは,民法改正以降に作成された遺言書,つまり2019年(令和元年)7月2日に作成された遺言書に限られるという点です。それよりも前に作成された遺言書には改正民法が適用されません(上記の公正証書遺言のように,遺言書の中に可能である旨が記載されている場合はその記載が優先し,第三者に委ねることができます)。