京都第一

[ダイイチNEWS 03] 生徒が安心して学ぶことができる学校へ ~平安女学院事件

学院に大混乱をもたらした式辞

「世の中には5種類の人間がいますね。一人は世の中にどうしてもあって欲しい人、二番目はどちらかと言うと、まぁ居て欲しい人。三番目は、世の中に居ても居んでもいい人。四番目は、世の中におったらあまりよくない人。五番目は、世の中におったら害になる人。さて、どれが一番いいでしょう?」

2021年3月、キリスト教系の総合学院である平安女学院高等学校の卒業式での理事長の式辞の一節です。直後から批判の声が殺到し、学院は混乱に陥ります。しかしながら、理事長は反省するどころか、説明を求める校長等管理職を懲戒・解任するなどの暴挙に出たのです。

長らく続いてきた理事長の独裁

2002年6月、平安女学院に就任した理事長は、従前の学院を「組合による管理運営」と批判し、教職員の大幅な賃金カットを行います。次いで2009年には給与規程を改悪し、教職員の本俸は、能力・年齢・経験等を勘案して理事長が決定するとしました。混乱の背景には、長年にわたる理事長の独裁がありました。

闘いを決意した教職員組合

提訴時の記者会見の様子

学院の教育を正常化しようと、教職員組合は要望書を理事会に提出しました。しかしながら、理事長は、いったんは復職させた管理職の再度の解任という報復人事を行い、中心的な組合員4人に対し昇給差別を行いました。これに対し、組合は10年ぶりに団体交渉を申し入れて交渉を続けましたが、理事会は誠意ある対応をしませんでした。そこで、2023年1月19日、組合員4人が原告となり、損害賠償等を求めて京都地裁に提訴しました。3月16日の第1回弁論期日は、生徒、保護者、支援者など、法廷に入りきらないほどの傍聴人が詰めかけました。

裁判となっても、理事長は、「5種類の人間」のフレーズは昔から使ってきたが問題視されたことはないなどと開き直っています。学院の正常化に向け、今後も支援者とともに闘っていきます。