1 放置がトラブルの種に
相続や遺産分割の問題が発生し、話がこじれた場合、いったん放置しておこうということがあるかと思います。けれども、放置することによって、その後も法定相続人が増えていき、より複雑になってしまう等して、子どもさんやお孫さんにもトラブルの種を残してしまいます。
2 相続人5人もご高齢に
当職が最近経験した事案をご紹介します。
被相続人のAさんは、昭和40年代にお亡くなりになっていました。大阪府内に不動産(借地上の建物)がありましたが、遺産分割手続はされておらず、登記はそのまま放置されていました。
Aさんの子供であるBさんは当該不動産に居住していましたが、借地の所有者から建物の登記をきちんとするように要望されました。ただ、Bさんも高齢で自由に動くことが出来ず、誰が正式な相続人かもBさんには分かりませんでした。
困り果てたBさんは、弁護士に頼もうと考え、当職に依頼されました。まずは正式な相続人を探し当てるため、戸籍謄本を全て取得する必要があります。戸籍謄本を取得した結果、結果的に相続人は合計5人であることが判明しました。
判明した相続人の方々に対して、相続持分をBさんに譲渡して頂くべく当職が交渉にあたりました。ただ、相続人の方々はかなりご高齢の方が多く、病院や施設にいらっしゃる方もいて全員と連絡を取って話をすることにかなりの時間を要しました。また、一部の方々は、持分の譲渡に難渋を示す方もいました。
何度もお手紙を送り、現地を訪れて直接面談交渉を繰り返す等して、なんとか相続人全員の方からご了解頂き、持分をBさんに全て譲渡して頂くことが出来ました。Bさんからは非常に喜ばれました。
3 早期ご相談のお勧め
このように、相続や遺産分割を放置すると、より複雑化して解決が難しくなってしまいますので、早期に弁護士にご相談頂くことをお勧め致します。何代にもわたって相続が続いた結果、相続人が50人以上になってしまったというケースも見たことがあります。相続人が増えれば増えるほど、連絡がつかない、どこにいるかわからない、どこにいるかわかったとしても判断能力がなくなっていた等のリスクが増していくことなります。
やむなく長期間放置していた相続や遺産分割についても、弁護士が介入して粘り強く交渉することにより解決に導くことが可能ですので、改めてご相談頂くことをお勧め致します。

弁護士