活動紹介

アスベスト被害による労災申請について

アスベストが原因で病気となった方の労災申請での解決事案をご報告します(個人情報の関係で、実際の内容とは少し変えています)。

Aさんは、長い間、建設関係の現場で働いていましたが、ある日肺がんと診断され、医師からはアスベストによるものだと指摘されました。そこで、労働災害として申請しようということになりました。

仕事中にアスベストの入った建材を取り扱うなどして,そのために肺がんや中皮腫などの病気になってしまった方は、労働災害として申請し、認められれば、労災保険から各種の給付を受けることができます。経済的な面はもちろん、いろいろな面で助かることになりますので、労働災害として認められることはとても重要です。

もっとも、労働災害として認められるためには、原則としてその人が労災保険上の「労働者」である必要があります(ただし、労災保険には中小事業主でも加入できる特別加入という例外があります)。通常はどこかに勤めていると思いますので、そういう場合は特段問題がないのですが、建設業の場合(大工、電工、配管工、左官など)、正直言ってこのあたりが明確でない場合も少なくありません。

Aさんも同じような事情があり、そもそも「労働者」として労災申請をすることができるかどうかということが問題となりました。

そこで、依頼を受け、この点をクリアすることを最大の課題としました。Aさんの仕事の状況や就労現場、同僚や親方的な人の名前や関係性などを丹念に聞き取り、詳細に書面で明らかにするとともに、お話をして頂ける人を探して足を運び、お願いし、同じように詳しい書面を作成しました。

こうした準備が功を奏し、Aさんは無事に労災認定を受けることができました。ご本人やご家族からも御礼の言葉を頂き、大変うれしく思います。

労災申請は必要な書類などが独特ですし、建設関係の場合はAさんのようにそもそも「労働者」と言えるのか?といった課題もあります。当事務所では多数の労災申請に関与していることはもちろん、建設アスベスト事件に10年以上取り組むなど、建設関係にも精通した弁護士が多数所属しております。

今後アスベスト被害は増加していくと予測されていますので、適切な保障を受けられるよう、当事務所でもサポートしてきたいと考えています。どうぞお気軽にご相談ください。