活動紹介

建設アスベスト訴訟で建材メーカーとの和解が成立しました。

 本年(2023年)5月19日,建設アスベスト訴訟で建材メーカー1社(株式会社ノザワ)との和解が成立しました(東京高等裁判所)。全面解決への大きな一歩になります。

 今回建材メーカーとの間での和解が成立したのは首都圏建設アスベスト神奈川一陣訴訟の原告のうち,左官である4名です。この訴訟は2021年5月17日の最高裁判決によって東京高等裁判所に差し戻され審理が続いていたもので,2022年11月22日の結審にあたって裁判所からなされた和解勧告を受けて和解成立となりました。

 左官の方は株式会社ノザワが大きなシェアを占めていた混和材(テーリング)を日常的に使い,アスベストに曝露していたことが私たちの調査で判明しています。左官の方であれば同じように多くの方が株式会社ノザワに責任追及できると思われます。全体の原告数・被害者数からすれば少ない数かもしれませんが,専属下請けという特殊な就労環境にあった方を除けば建設アスベスト訴訟で初めての建材メーカーとの和解成立,大きな意義があります。

 これを機に他の被害者との関係でも,すべての建材メーカーが,裁判で争いを続け被害者を苦しめ続けるのではなく,和解へと舵を切るべきです。当事務所でも引き続きアスベスト被害の救済へと力を尽くします。